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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]

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勇者ノベリットの冒険

かざぐるま}
かざぐるま
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!!
2013-07-11 19:30:04

コメント (196)

退会ユーザー  2020-03-22 20:33
がーん!!
し、死相が出ている……?死んだばかりなのに?
大きく肩を落としたノベリットは、深く項垂れ肩を震わせた。
「ノ、ノベリット……?ヴァンダール様!」
 ノベリンはノベリットの周りを飛び回り、ヴァンダール婆に目をやるも、ヴァンダールの顔色は険しい。
「う、うく、うふふ、うひひ……」
「うひひ?」
 不安な様子でノベリットの顔を覗くと、ノベリットは大きく仰け反って高らかに笑い出した。
「そりゃ~、そうだよ、宏美ちゃん!だって、おれ、今、死んでるんだから」
「あっ、そういえばそうだね!なーんだ」
 ノベリンは胸を撫で下ろしていた。
「なぬ?死んでいるじゃと?それならそれで、伝説の勇者ともあろうものが、嘆かわしい限りじゃ……」
「そんなこと言われても……。でもさ、郷に障壁ってどういうこと?この妖精郷にも何かあるってこと?」
 ヴァンダールとノベリンは、互いに大きく息を吐き出した。

匿川 名  2020-03-22 19:35
「どうも、松本・ヴァンダール=宏美。136歳です」
老女はえらくキチンとそう名乗ってスカートの端を両手でちょいとつまむと、深々とお辞儀をした!
「ヴァンダール様!おやめくださいのべ!」
「あ、ほんとうにのべが敬語だ」
ノベリットのツッコミは完全に無視され、代わりにノベリンからステッキで頭を一度ポカンと叩かれた!
「久しぶりに妖精郷にやって来ての・・・。すると何じゃ、面白い顔があったんで様子を見ようと思ったんじゃわい」
「しゃべりがテキトーですね、って、あいたっ!」
鼻をほじりながらそう言ったノベリットの頭にさらにノベリンのステッキが追い打ちをかける!
「こ、この方は妖精大女王の恩人のべ!伝説の魔法使いでこの妖精郷を護る障壁を築いたありがた~いお方だのべ!」
「え、そうなの?!」
「ほんとうはもっと早く顔を出したかったんじゃがのう・・・。自分で作った障壁だったんじゃが、年齢制限がアダになっての。20歳以上は入れなくしておいたんじゃ」
「え」
ノベリットがポカンとする。

「そう、そして今のわしは136歳・・・還暦もダブルで経過!136歳から120歳を引いて、宏美はまだ、ピチピチの16歳なのじゃ!!!」

「あ、あは、あは、あはは」
なんだか乾いた笑いがノベリットの喉から絞り出された!
「しかしてお主・・・似ておる。なんとも伝説の勇者にそっくりじゃ!」
そう言うと松本宏美、もとい、ヴァンダール婆は細い枯れ枝のような指をそっとノベリットの頬に伸ばした。
そしてちょこんと触れると、なんだか妙に頬を赤く染めた!
「な、なに?!」
言いながら何となく腰が引けているぞ、ノベリット!
「ほんとうにあの古文書のとおり・・・わしが若い頃読みつつ焦がれたあの大長編ラブ小説の・・・」
「今!ラブ小説って言った!言った!」
「それはさておき」
「さておくんかーい!」
妙な急展開にノベリットがツッコミの絶叫を放った!

「ぬしが英雄かただのたわけか試そうと思っておったのじゃが・・・それより何より、まずお前さん・・・なんだか濃い死相が出ておるのう・・・」

え、とノベリットの表情が凍った!
な、何を言い出しちゃうのこのお婆ちゃんは?!

退会ユーザー  2020-03-21 23:00
「ヒィーッヒッ、ヒッ。あの小僧、ああ見えて中々どうして、肝が据わっておるのか、ただのたわけ者なのか?どれ……」
 疑わしい老女は、笹舟の上でゆっくりと立ち上がった。
「キャー!!落ちちゃうーー」
「ど、ど、ど、どうしよう~、オロオロ」
 瀑布にあわや消え失せた思われた老女は、後期高齢医療制度など必要ないといわんばかりの跳躍をみせた!
「ホホーー!!」
 ババァは、いや、老女はくるくる~と宙返りをすると、ノベリットたちの頭上を飛び越して、川岸の一本の木にガサガサ~と突っ込んでいった。
「あのババァ、すげぇ……あいたっ」
 感心するノベリットを、ノベリンがステッキでぶっ刺した。
「この大たわけもの!助けに行くわよ!」
 老女が突っ込んだ木の下まで行くと、老女は木の枝に襟を引っ掛けてぶら下がっていた。
「これ!早く助けんかい!」と老女は両手をばたつかせていた。
 なんとか木の上から救出したノベリットたちの前で、老女は一つ咳払いし、にんまりと笑みを作った。
「き、きもちわる……」と言いかけて、ノベリンに睨まれたため、ノベリットは口笛を吹いてごまかしていた。
「あっ!あなた様は!!?」
 老女の姿をまじまじと見据えたノベリン。
 この老女の正体はーー!!?

匿川 名  2020-03-21 21:48
「ふ・・・見切った!」
ノベリットはそうささやき、目をキラリと光らせた!
でも、その間にもおばあさんはどんどん下流へ行っちゃうよ?!
「助けないの?!ねえ、ほんとうに!」
ノベリンがノベリットの頭上をぐるぐると舞いながら焦った声を投げかけた!
しかし、ノベリットは人差し指を一本立てると顔の前でチッチと振って見せた。
「アレは罠だ」
「な、何を言ってるの!」
仰天するノベリンに向け、ノベリットは振っていた人差し指をビシイ!と突きつけた!

「お前の姿を今一度顧みるがいい・・・。そう・・・ここは「妖精郷」!オトナは入れないはず、従って!あの老婆は偽物!!!」

冴え渡る推理を披露したノベリットの後頭部にノベリンのキレの良いムーンサルト・キックが炸裂した!
「ぬお!いってええ!!!」
「バカ!どう見てもあのお婆さんは後期高齢者でしょ!還暦を迎えると年齢はゼロリセットよ!おまけにあんな笹舟に乗っていてニコニコできるんだから危機感を感じにくいのかも!」
「おまえ、ファンタジーで後期高齢者て。還暦て」
「ああ、もう!」
ノベリンはそう言い捨てるとヒュンと風を切りお婆さんを追った!
「え、おま、ちょっと」
その様子に慌ててノベリットも後に続く!
どうにかふたりがお婆さんに追いつきそうになったその時、どうどうという音が耳に響いた。
「この音は・・・まさか!」
そう、そのまさかなのです。
なんと!川の果ては唐突に瀑布だった!
「た、タキー!!!」
慌てて絶叫するノベリン!
「みつはーーー?!?!」
何となく合わせて絶叫するノベリット!でも何も入れ替わったりはしていないぞ?!?!
ふたりとお婆さんと滝までの距離は、笹舟のノリにノった速度からもはや絶望的だ!
さあ、どうするノベリット!

退会ユーザー  2020-03-21 19:03
「ノベリン、ちょっと、タンマタンマ!」
「もう、な~に~?」
 飛び去りかけたノベリンが首を捻ると、ノベリットが川上を指さして叫んでいた。見れば、川上からどんぶらこ~、どんぶらこ~と大きなおばあさんが、笹舟に揺られて流れてきた。
「ババアが!ババアが流れてきた!」
 ノベリンはトンボの羽なのに、隼のように滑空してノベリットの頭にステッキを突き刺した!
「お年寄りに向かって、なんて口の利き方!勇者のくせに」
「あいたっ!だって、ババアが!ああー……」
 お婆さんは笹舟の上でお茶を飲みながら、ノベリットににこりと笑顔を向けていた。そして、そのまま川下へと流されていった。
 ノベリンはもう一度ノベリットの頭を刺した。
「早く助けないと駄目でしょう!」
「え?助けて欲しそうに見えた?お茶飲んでたぜ?」
「笹舟に乗って流されてるなんておかしいでしょうに!」
「でも、どうやって助けるの?」
「勇者なんだから、飛び込んで助けるとか……、ああ、もう!」
「おれ、ちょっとカナヅチで」
 お婆さんはどんどん川下へと流されて行ってしまう。
 さあ、どうする?ノベリット!

匿川 名  2020-03-21 15:43
「・・・ゴワゴワする」
自分の股間を見ながら、雨に濡れた犬のような哀れな表情でノベリットはそう言った!
「だって、パンツなしでズボンはいてるんだから当たり前じゃない!」
ノベリンはやれやれといったふうに肩をすくめた!
「ええと、それで西の森だったっけ」
ノベリットはそう呟くと目を細めてあたりを見た!
「そうよ?」
ノベリンがさも当たり前のようにそう返した。
それに対しノベリットは妙にあたりをキョロキョロし続けている。

・・・まさか・・・

「・・・あの、申し訳ありませんが西ってドッチですかねえ?」
ぶほ、とまさかのひと言にノベリンが咳き込んだ!
「あのねえ、あなた冒険者でしょ?!」
「や、そうなんだけどコンパスもなくしたし、お日様は出てないし、あたりにはいい感じの木の年輪もないしではっはっは」
「アホらしすぎて返す言葉もないわ・・・」
ため息交じりにノベリンはそう言うと、ふわりと舞い上がりあたりを見た。
そして、ノベリットの右前の方にぴゅんと滑空し、ぴっとその先を指さし示した!
「あっち。じゃ、そういうわけで私帰るわ」
そう言うとノベリンは手をひらひらと振って、ノベリットを残して飛び去ろうとした!
やばい!このままじゃまたソロプレイに逆戻りだ!
さてどうする、ノベリット!

匿川 名  2020-03-21 15:32
河原にたどり着いたノベリットはあたりに人がいないことを確認すると、そっと自分の衣服(パンツ含む)を洗い始めた。
川底まで見通せる澄んだ水にノベリットの服から汚れが流れ込む。
「・・・汚ったな、のべ」
そのばっちい流れをジト目で見ながらノベリンが呟いた。
「お前その語尾無理してね?」
普通「汚い」というところへちょっととってつけた感がある語尾にノベリットが突っ込んだ!
「う、うるさいのべ!これはこの妖精郷の正式な敬語、丁寧語の類いのべ!」
「でもその割には女王様は普通にしゃべってたぞ」
ノベリットの質問にノベリンはやれやれといったふうにかぶりを振った!
「女王様は特別のべ!最上位の者は誰かに敬語を使う必要が無いのべ!」
「それじゃ、ノベリンはおれに敬語で接してくれてるんだ?」
ノベリットのツッコミにノベリンははっと驚いたような顔をした!
「それもそうよね・・・なんであたし、あんたに敬語使ってたんだろ」
「よし、洗い終わったぞ!」
ノベリットは最後に残ったパンツを洗い終えると、両手で広げてパン!と伸ばした!
その弾みで!

びりっ

ノベリット「え」
ノベリン「え」

なんと!パンツが真っ二つに破れちゃったじゃないの?!
「パンツが・・・旅に出るときに予備を忘れたばかりにたった一枚だったパンツが・・・」
ノベリットはそう呟いて、ひざまずき項垂れた!
その時、彼の脳裏に何か遠い記憶が横切った。



 「え、って、ちょっと待ってよ。それじゃ今までの旅の間ノベっちってパンツ・・・」
 穿きっぱなし、と言う言葉を辛うじて飲み込むようにして、マナがじりじりと後ずさった!
 「違う!流石に時々は洗った!その、一人きりになった時とかに、こっそりと・・・」



・・・でも、目の前の盛大な悲劇に、そんなことはすぐに忘れた!(爆

匿川 名  2020-03-21 15:30
「そういえば、お前付いてきてくれるの?」
ノベリットは何となくノベリンに尋ねた!
「だっておまえすっぽんぽんだからこのままじゃダメのべ!とりあえず服を洗ってちゃんと着るのべ!じゃないといつまでも私、この・・・アレがナニのそばを飛び回らないといけないのべよ!」
そう言ってノベリンは耳まで真っ赤になった!
「どうせ小説だから見えないのに」
「そういう問題じゃないのべっ!!!さっさと服を洗えっ!!!」
ノベリットのメタなネタにノベリンはそう絶叫すると、くるりと宙で弧を描いてノベリットの後頭部に膝蹴りをぶち込んだ!
「いってぇえええ!!!」
「・・・次は・・・殺す・・・」
妙に低い声音でノベリンがそうぼそりと呟いたので、怖くなったノベリット一目散に川を探して走り出した!

退会ユーザー  2020-03-20 22:41
 おれはどうしてお漏らしなんか?
 ノベリットは自分の身体をよく見てみると、なんと!!
 身体が子供の身体になっていた。
「どうして子供?」
「ここは妖精の郷のべ。大人は入れないのべ、当たり前のべ」
 納得だ……。
「どおりで……。ということは、もういいや!」
 脱ぎ脱ぎ、ポイポイ~と、ノベリットは服を全部脱いでしまった。
「スッキリ!」
 ノベリットは腰に手を当て、白い歯をにかりと見せた。
「NO--!!」
 妖精ノベリンの悲鳴が上がった。女王は両目を隠しながらも、指の隙間からしっかりと!慌てたノベリンは、ノベリットの股間に自主規制を掲げた。
「おれ、子供だから別に大丈夫でしょ?」
「なに言ってるのべ!いくら子供になっても駄目のべ!色んな人がここを読んでるのべ」
 ノベリンは自主規制をかけながら、ノベリットの股間付近を飛び回った。そんなノベリンを見下ろしていると。ふと、ノベリットはノベリンの髪の毛が気になった。綺麗な緑のサラサラヘアーだが、うなじ辺りから、何やらもじゃもじゃが少し見えていた。そっと、髪の毛に触れようと手を伸ばすと――
「Don’t touch me!!」
 鬼の形相と凄い声音で手を払われてしまった。股間が露わとなり、ノベリンは慌てて自主規制をかけた。
「ドン、タッチ、ミー!!今度触れようとしたら、ぶっkill you!!」
 あのもじゃもじゃが気になるけど、仕方ない。ノベリットは女王ノベリーナに挨拶して、謁見の間を出ていこうとして、ようやく気が付いた。なんか、みんな、子供みたいだ。意識もはっきりしてきた。目が覚めてきたかな?
 あの武装してた兵隊さんも子供のようだし、兵隊さんは兜と槍と股間に葉っぱ一枚の恰好だ。
「なあ、ノベリン。なんで、社会の窓に葉っぱなの?」
「あれが妖精のパンツのべ」
「それだ!!」
 これでゴールドいらないぞと、ノベリットはにやりと歯を剥いた。
「でものべ~、あの葉っぱは西の森に行かないと見つからないのべ」
「適当な葉っぱじゃダメなの?」
「駄目のべ」
「う~ん……。パンツ洗って履き替えるのは?」
「新しいパンツとお言葉賜ったばかりのべ!」
さあ、お金もない、パンツ屋もない妖精郷。目指すは妖精のパンツだ!
 ノベリットはパンツを求めて、西の森へいざ!!

匿川 名  2020-03-20 20:59
「ノベリット・・・あなたは復活するために、新しいパンツにはきかえなければいけません」

女王は幼い容姿には似つかわしくないような厳かな声音で、でもなんだか変なことを言った!
「ぱ、パンツ?!」
ノベリットは思わず目をむいて仰天した。

「だって・・・お前なんだかおしっこくさいのべ!」
ノベリンはそう言って目を細めて鼻をつまんだ!
いわれてみるとなんだか股間がしっとりしている!
途端に内股になるノベリット!
おいおい、えへへと愛想笑いをしている場合じゃないぞ!

(・・・でも)

と、ノベリットはふと思った。
何で自分はおしっこをを漏らしているのだろう?
そういえばなんだか記憶が曖昧というか、頭の中がふわふわした感じがしている。
例えば夢の中でこれを夢と識るときのような、言い知れない現実感のなさがある。


さっきまで、いや、『ここ』に来るまで自分は何をしていたのだろう?
とても大事で切実な何かがあった気がする・・・


でも・・・


「ま、いいや。考えても分かりそうにないし!」
そ、それでいいのかノベリット!?
「ところで、男性用パンツの一般的な市場価格は1ゴールドです。『詳しくは2013年11月20日の投稿を参照』と神の声が聞こえます・・・」
「ちなみに一時的に1枚1000ゴールドまで暴騰したこともあるのべよ?『詳しくは同投稿を参照』とはこれまた神の声のべ!」
女王はそこで一度すっと目を細めた!
「そう、そして貴方のポケットには0.5ゴールドしかない・・・しかも硬貨はかけて半分・・・このまま使うことすら出来ません。さて、これが貴方に課せられた試練です。おまけにこの妖精郷には道具屋もありません。さて、あなたはどうします?」
ええっと、どうしよっかなあ、ノベリット!

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