バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]
勇者ノベリットの冒険
| かざぐるま} かざぐるま |
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!! |
2013-07-11 19:30:04 |
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コメント (203)
匿川 名 2013-10-29 23:33
「・・・と言うわけで作戦は簡単だ」
「なにが『と言うわけ』なんですかあ」
泣きながら種田さんが巨乳を揺すり訴える!
しかしそれはガン無視で、ノベリットは低い声で囁いた!
「道場には自分が殴り込む。決闘を挑んで、豪一郎さんが出てきたら、タイミングを見て和夫さんが入り口付近からパイオツを突き出す!しかし、ここで大切なことがある」
「何よ」
計画を聞きながら、マナは半ば以上あきれ顔だ!
「出すのは道場の入り口の陰から、あくまで『胸だけ』だ。まさか自分の息子がセクシー・ポーズを取りながら巨乳を揺すって道場に入ってきたら、何が起こるかは分からんからな。だから持ち主が我が息子であると悟らせず、豪一郎さんがその巨乳のシルエットに気を取られた瞬間に、一気にカタを付ける!」
無茶な作戦計画を立てたぞ、ノベリット!
しかし当の本人は『うまく行く気120%』の顔をしている!
種田さんはひとりしくしくと泣いている!
まあ、そりゃ巨乳以外は見た目が普通の青年なんだから仕方がないっちゃ仕方がない!
「そうと決まれば早速道場破りだ!行くぞ!みんな!」
おー、とやる気の全く無い一同の鬨の声を受けて、ノベリットは歩き出した。
みんなしぶしぶその後を付いてくる!
そして、種田道場は姫の城から山をひとつ、丘をふたつ越えたところにぽつねんと立っていた!
隣にはこぢんまりとした木の家がある!
「あれ、僕の実家です」
種田和夫さんは少しだけ懐かしそうにそう呟いた!
しかし、
「頼もう!」
全く何の遠慮もないまま、ずけずけとノベリットは道場の方に入り込み、胴間声でそんなことを言った!
あちゃあ、と言う顔でカイザーが犬ながらに首を横に振る!
「さて・・・客人か?」
薄暗い道場の隅から、のそりと細身の男が壁にもたれ座っていた姿勢から背を起こした!
黒ずくめのサムライスタイルに身を包んだ長髪のその男は、ゆらりと立ち上がり、眼光鋭くノベリットたちを見た!
この人が種田豪一郎さんか!?
ノベリットがそう思っていると、何とも意外なことに、その時チビドラが!
かざぐるま 2013-10-29 23:00
「よし、こうなったら腹をくくろう。豪一郎さんを倒すぞ!」
「ええええええ?」
ノベリットの言葉に全員ドン引きだ。しかし……。
「どんな達人にも弱点はある。何か親父さんの弱点を知らない?」
種田(息子)に尋ねるノベリットの顔は少し情けない。
「そういえば……。父は巨乳フェチで、乳のデカい女性にはめっぽう弱いのです」
「なるほど。じゃあ、コイツは無理だな」
「ええ。使えませんね」
マナを見る二人と一匹はため息をついた。
「てっめえらふざけんな! あたし肉体改造するから見てろよ。最近覚えた呪文はすごいぞ!」
「へー」
「ほー」
「わふん(へー)」
「見てろよ? 『ムネデカイン!!』」
「なんも起こらないじゃん。バカなの? ねえ、種田さん」
ノベリットは種田さんを振り返った。
「うっわああああああああ!!」
なんと! マナではなくて、種田さんの胸が膨らみ始めた。
「ふ。成功ね」
「ばふ(失敗だバカ)」
「しくしくしく……」←種田Jr
さあ、大変だ! 種田さんが巨乳になってしまった。
これはどうにか種田さんを利用するしかない!
さあ、どうする!
匿川 名 2013-10-27 19:27
『種田道場』
広げられた地図の隅っこに、そっと書かれていたのはそんな名前だった。
ノベリット、マナ、チビドラ、カイザーが一斉にジト眼で種田和夫さんを見る!
「・・・はい、実家です。なんだか、ごめんなさい」
「もしかしてニャース神殿のことを知っていたのは・・・」
「うん、だって冒険者ってニャース神殿で最初に職業を決めるじゃないですかあ。マナさんってまだ仕事が決まってなさそうだったから」
「人をニートみたいに言うな!」
それは何か言葉の意味が違う気がするぞ、マナ!
「でも、そうなら話が早いんじゃない?種田さんにお願いして修羅の剣を貸して貰えばいいじゃない!」
マナがいいこと思いついたと言わんばかりの声でそう言った!
しかし、種田さんは
「それがですね・・・修羅の剣は私の家に代々伝わる家宝の剣なんです。それを貸すことは有り得ない。得るとすれば奪うしかないんですが、奪うには、私の父と闘って倒すしかないんです」
種田さんは淡々とそう言った。
「ちなみに種田さんのお父さんの腕前は・・・?」
ノベリットはおそるおそる聞く。
「私の父、種田豪一郎は・・・居合道128段です」
「何そのテキトーな段位は!」
想わずノベリットは絶叫した!
「石灯籠くらいなら剣を抜く前から眼力でふたつに切れます」
「チート凄すぎだろ常考!!!」
重ねてノベリットは絶叫する。
「あ、でも大丈夫です」
「何が!」
マナも吠える!
「父ほどの腕前になると、切られても死んだことに気がつきませんから、痛くないです。きっと」
「「そうじゃないだろーーー!!!!」」
マナとノベリットは仲良く絶叫した!
しかし修羅の剣を手に入れるには、種田さんの実家でお父さんの豪一郎さんを倒すしかない!
どうする!勇者ノベリット!
かざぐるま 2013-10-27 11:06
「よし、一回落ち着こう。王様のところではまだ持ってたから、途中で落としたかな、かな? 俺気絶してたし悪くないよね?」
ノベリットは完全に現実逃避している。
「とにかく探しに戻るか、新しい剣を手に入れるしかないわよ」
マナは珍しくまともな事を言いながら、ぶつぶつ言っている彼の肩にそっと手を置いた。
「そうじゃ。この国にはお主の持っていた伝説の剣の対となる『修羅の剣』というものがあるのじゃ。探してみたらどうか?」
姫がナイスフォローを入れた。
「がふふん(探すか)」
「しょうがない、探しましょう!」
みんな賛成のようだ。
「で、姫。その剣はどちらに?」
姫は黄ばんだ古い地図を引っ張り出して、大理石のテーブルに広げる。
「ここじゃ!」
「えええええ!?」
ノベリットたちは目を疑った。そこは!?
匿川 名 2013-10-24 23:12
「見て!ノベリット、あれ!」
マナが叫ぶ声で、ノベリットは目を覚ました。
三日ぶりに開く瞼は重く、陽射しは目を刺すようだった。
白い影が晴れ、やがて目の前に結んだ世界の像は、豊かな自然が美しい景観の姫の国と、その山の向こうに、白い神殿の姿を結んだ。
「ニャース神殿・・・」
種田さんがぼそりと呟いた。
なんと!眠っている間にとりあえずニャース神殿のすぐ側まで来てしまったらしい!
「ん?何だ、そなたたち、ニャース神殿をしっておるのか?」
姫が首をかしげるようにしてそう言った。
「ええ、姫。実は我々はあの神殿を目指していたのです」
「なんと!」
姫はそう驚いたように呟いた。
しかし次の瞬間には眉間に皺を寄せうつむいた。
「しかしのう・・・わらわの国から、あの神殿は、確かに見える距離にある。しかし、行くには国と山との間に横たわる『闇の谷』を越えねばならぬ」
「なあに、平気です」
ノベリットは余裕で微笑んだ!
「どんな谷であれチビドラに乗り飛んでいけば一瞬です。その為にはこの伝説の剣の柄でまたチビドラを・・・伝説の・・・剣で・・・あれ?」
ノベリットはふと、腰の辺りをまさぐった。
しかしそこにはさしてあったはずの剣がない!
伝説の剣を、どっかに無くしてしまった!
マジか!勇者ノベリット!
目の前にニャース神殿を見て、谷を渡る術どころか、なんたる失態のこの事態!
ふと気付くとパーティ一同の視線が痛い事ったらこの上ない!
さあ、どうしちゃいましょう、勇者ノベリット!
かざぐるま 2013-10-23 09:17
「じゃーん!」
ノベリットが懐から取り出したモノは、『チート飴』だった。これは彼のお祖父さんが昔くれたものだ。
『いいか、ノベリット。本当にカッコつけたい時にしかこの飴を舐めてはいかんぞ。わしはな、これで嫁をゲットしたんじゃ。だが、気をつけろ。食べたあとは副作用で3日は寝込むからな』
しわしわの顔をさらにしわしわにして、お祖父さんはノベリットにその飴を渡した。
(じっちゃん! ありがとう!)心の中で感謝した。しかしもう飴はあと一つしか残っていない。
「姫よ。あなたはその性格を直せばきっと素晴らしいお姫様になりますよ。そして本当の王様は……。そこ! 逃げない!」
すべるように床を移動すると、本物の王様の襟首を捕まえる。
「これだと賞金はやれんぞ?」
王様はいやいやをするように首を振っている。
「かまわないです。この姫と一緒になって素晴らしい国を造って下さい」
ノベリットは完全に上から目線だ。
「がふん(おいおい、結局また賞金もらえないぞ)」
カイザーは前足を重ねて寝てしまった。
「わかりました。わらわは一度国に帰って花嫁修業をやり直します。そなたの言葉で目が覚めました。ところで、旅の者、ぜひわらわの国にこれから遊びにきてはくれまいか? 歓迎するぞ」
姫は輝くような笑顔でノベリットを誘った。
「ありがとう。3日はこれから寝込むから、運んどいて下さい。あの者たちもよろしいですか?」
「うむ。ぜひ一緒に」
種田さんとマナは早くも旅支度を始めていた。
姫に連れられ、三日三晩山道を歩いた。ノベリットもそろそろ目を覚ましそうだ。
そしてついに、姫の国に着いた。
何とそこは!?
匿川 名 2013-10-20 21:16
ついに、というか、まあ、お約束というか、マナの伸ばした指先には勇者ノベリットの姿があった!
「フ・・・ここまで来ては仕方がない。ついに主人公の出番という訳か」
そう呟きさらりと前髪を掻き上げるノベリット!
「初めからこうしておくべきだったのかもな。多少の豹変型でも、あのビジュアルなら我慢できる!」
開き直ったか!勇者ノベリット!
「貴方が国王陛下なのか?」
「その口の利き方は何だ」
姫に向かって、ノベリットはぴしゃりとそう言った。
種田和夫さんがひっと呻いて小さく背筋を伸ばした。
姫の表情がノベリットの言葉に凍り付く!
「お前の未来の夫に向かって、『なのか』とは何だ。それに加えて、なんださっきのくそ詰まらん暴挙は。俺がマナだとすれば、人前で夫に拳を振るう妻なぞ、絶対に許さないな」
「・・・亭主関白?!」
ノベリットの命知らずな言動に、種田さんがなぜか代わってガクガク震えている!
次の瞬間、
姫の閃光のような右フックが唸った!
しかし、
「「えええええ????!!!!」」
種田さんとマナが驚きの声をハモる!
ノベリットは首から上を微動だにさせず、左の手のひらだけでその拳を受け止めた!
「蝿が止まりそうな速さの拳だな。女しか殴れないのも道理だ」
ノベリットはそう呟いて、乱暴に姫の拳を投げ捨てるように放った!
姫はよろめいて、体勢を崩し、動揺の眼差しをノベリットに向けた!
一体ノベリットに何があった!
まさか今更超必殺技『主人公補正』が発動か?!
場の一同が驚きに見守る中、ノベリットは不敵に微笑みながら、懐に手を突っ込み、何かを取り出そうとした!
そこから、出てきたモノは?!
かざぐるま 2013-10-20 13:14
「気に行った! やはりあなたは理想の男性じゃ」
姫はマナに近づくと、その白い手を伸ばしうやうやしく跪いた。
(女性なんですが……。つーか王様なにやってんすか! こんな綺麗な姫様の話を断るなんて)
マナの心の声が聞こえて来るようだ。
「えっと、ここここの人の事を愛してます。だから今回の話は無かったということぶべっ!」
話終わらないうちに、マナは姫にフルスイングでぶん殴られた!
「うーん、やはり女性は見た目じゃないな。いきなり豹変型だね」
ノベリットは種田さんにひそひそと耳打ちしている。
殴られた拍子にアフロのかつらが吹っ飛んだ。そしてついに女性ということがバレてしまう。
「――おまえは誰じゃ?」
「えーと、ま、マナです」
「ほーう。じゃあ王様はどこじゃ?」
姫の眼に怪しい光が灯る。その身体からは物凄いオーラが発せられ、呪文でいうとメテオ的な何かが来そうなレベルだった。
「あの人じゃでござる」
すでにテンパっているのか、それでも使命を果たそうとしているのか分からないが、マナのセリフはおかしくなっている。
なんと! マナの指した方向には!?
匿川 名 2013-10-17 00:41
「えええええ?(←今度はひとり)」
ノベリットが思わず驚愕と感嘆の入り交じった情けない声を上げた!
「・・・マジですか?」
種田和夫さんはそう呟くと、それきり絶句した!
しゃらん、と響いたのは、従者が持つ杖に結わえられた銀の鈴だった!
そして、撒かれる花びらの向こうからしずしずと歩み出てきたのは、
褐色の肌で、蜂蜜のような蕩ける黄金色の髪の毛を腰までも伸ばし、大きく丸く、空よりも青く美しい瞳をした件の『姫』の姿だった!
その可憐で現実離れした美しさに、その場にいた者全てがショックを受けた!
しかし、
「あ・・・あは、あはははあははあはあは」
一番ショックを受けていたのは、アフロカツラを被せられ、しかも似合わない男装をさせられているパーティ唯一の女性メンバーであるマナ自身に違いなかった!
「ガウ(運命は残酷だな)」
溜息をつくように、同情をするようにカイザーが小さく吠えた!
「逆に悲しくなるから同情しないでよ!」
そんなカイザーにマナは小声で泣き言を言った!
姫はその透き通るような瞳を、まっすぐ玉座に座るマナへと向けた。
曇りのない目がマナを見つめる。
その視線が重くて、マナは思わず後ろに背を反らしてしまった!
すると!
「この人は渡さないわっ!!!」
ものすんごく気持ちの悪いおカマさんヴォイスで、マナの右隣からホンモノの国王が絶叫した!
そしてマナの右腕にしなだれかかるように絡みつく!
マナの全身に鳥肌が立つ!
「あたしたち愛し合っているのよ!貴方の取り入るスキなんて、どこにもないんだからっ!!!」
ホンモノの国王はキモいながらも迫真の演技だ!
するとそのとき、姫が動いた。
一歩だけスッと前に歩み出ると、まっすぐマナとリアル国王を見据えて、その小さな唇を開き、言った言葉は!
かざぐるま 2013-10-17 00:06
「セーフ!!」
ノベリットは胸を撫で下ろした。その隣で種田さんも万歳をしている。
「これは公平に決めた事だ。マナ、頼むぞ」
「……やり直さない?」
「ダメだ。さあ王の所に行って打ち合わせをするんだ」
二人はニコニコと笑いながらマナを送り出した。
「ちっ」
「あいつ、いま舌打ちしたよな」
「しましたね」
まあ、男装とかややこしい事しなければならないのは気の毒だが。
「おお、そなたが私の身代わりに? ではこの汗のしみ込んだアフロカツラを貸して進ぜよう。
王様はウキウキしながら、蒸れたカツラをマナに被せる。
「くうううううう!」
マナは涙目でこちらを見ている。
「よし、あとは服装だな。では私の着ているこれも着るがよい」
王様はパンツ一丁になると、服をマナに投げた。
しぶしぶマナはそれを着ると、何とか王様に見えるようになってきた。
「あのーぶかぶかなんですけど?」
「大丈夫だ。――慣れる」
「ちっ」
また舌打ちをしながら玉座に座った。
「今夜姫君が到着するからよろしく頼むぞ」
王様はそう言い残すと部屋を出て行った。
そして夜になり、白馬に引かれた馬車が王宮の門をくぐった。
話によると姫はキツイ性格らしいので、マナはひきつった顔をしながら身構えている。
そしてついに、王の間に姿を見せた。従者に花を床に撒かせながら近づいて来た。
そこには!



