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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』
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バトンを繋ごうRPG 『勇者の旅立ち』[小説コミュニティ]

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勇者ノベリットの冒険

かざぐるま}
かざぐるま
勇者は村を出た。装備も魔法もまだ持っていない。とりあえず北の森に向かってノベリットは歩き出した。そこに突然!!
2013-07-11 19:30:04

コメント (203)

匿川 名  2019-05-29 23:07
脱兎の如く彼が駆けたとして、誰がそれを責めることが出来たであろう。
彼を追いかけるのは遠い悲鳴で絶叫で、しかしそれはどこまでも彼の身に付き纏い、濡れた煙のように忌々しく、振り払いようもなかった。
恐れで心と肉体が乖離する。
しかしそれもやむを得まい。
圧倒的な絶望を前にして、『走れ、走れ、ひた走れ』と命ずる脳髄に、肉体のあらゆる機能が応答の遅れを見せたとして、つまりは――――
足がもつれ、転び、起き上がろうとするさなかにもその足は前へ前へと駆けようとするので、立ち上がることすら満足に出来ないまま――――
のめり、あえぎ、その双眸が不意に空を見上げたときに、緑色の闇がそんな彼をあざ笑うかのような満つり方で果てまでを占めたとき、

彼は身に纏う悲鳴の主が己であると初めて識った。

永く短く、しかし彼自身は遙か彼方まで駆けたと思った。
しかしそんな彼がぎょろりと振り返った先で、百間も離れてはいない処で、彼の『犬』は闘っていた。

無限の闇を、
世界を包む暗黒を、
祓うのは、
祓おうと足掻くのは、

眩さは儚く、しかし確実にそこに在ったので、

彼は、皇の状(ざま)を視た。

「なんだ」

と言葉が口をついて出た。

圧倒的なまでの絶望にとらわれながら、深夜の荒海の中で、揺れる小舟に差す松明よりも仄かなくせに、アレは明らかな胸の奥を震わせる『何か』だ。

何か。

なにか。

暗闇と悪意と絶望の中にほの輝(ひか)るそれは、
それを、

人はきっと『勇気』と譬えるのだろう。

闇に足掻き、堂々と叫(たけ)びを挙げる彼の側に、闇の中から陽炎のように揺らぐ何かが添った。
幽霊のように頼りなく、しかしそこに在るのは明確な意思であって、
それは『ともに抗う』と誓うかのように、白銀の刃をゆらゆらと閃かせ、
皇の傍らに侍り、叫(たけ)んだ。

「――――アニエス」

彼は、ノベリットは己が眼に写る影の名を呼んで、がくりと両の膝を地に着いた。

匿川 名  2019-05-26 23:36

犬はノベリットの方を振り返り、口角を上げた。
犬はその筋肉の構造から、微笑むことは出来ない。
ならば今、この犬が微笑むことが出来るのはなぜか。

その時、犬の肩がむくりと腫れた。
両の足の関節がまっすぐに伸びていき、毛がずるずると抜け落ちる。
カイザーが人の姿を取り戻そうとしているのだ。

「や、止めろカイザー!今人の姿を取り戻したら、お前は永遠に犬のままで生涯を過ごすことになるぞ!」

ノベリットが絶叫した。
しかしカイザーは変身を止めない。
肉の毛はずるずると抜け落ち、
身体は本来の男性的な巨躯を取り戻しつつ、
伸びていた鼻と口元は彫像のような鮮やか唇を取り戻し、
微笑みを浮かべながら、囁くように、言った。

「良い。良いのだ、ノベリット。
 我は亡くなるわけではない。
 我が我の姿をとこしえに失ったとして、お前が、お前さえが分かっていてくれたら、覚えていてくれたら、それでいいのだよ。
 我はこれからもお前とともに在る。
 ただ、そのためには少しばかり今ここで『しておかなければならないこと』があると言うだけだ」

『緑の闇』の根源に、一人の男が対峙した。
『闇』は『死の閃き』を男に向けて放った。
男は片手で難なくそれを跳ねて払った。
光が歪み、脇へと落ちる。
男の口角が歪む。
しかしそれは先ほどノベリットへ向けたものとは異なり、怒りと憎しみとたっぷりとそこに湛えていた。

唐突に、地を揺るがすような咆哮を男が上げた。
ノベリットはその後ろから緑の闇を盗み見た。

その『緑の闇』は、

『闇』に感情を認めることが狂気の沙汰で無いのなら、

ノベリットには、

底知れぬ『歓びの具現』、そのものにこそ見えたので――――

匿川 名  2019-05-26 23:35

「あ」

ノベリットはそんな声をどこかから聞いた。
しかしそれがどこから響いたものなのかが分からない。
前か後ろか左か右か。上か下なのか、今か過ぎた一時のことなのか。

その時はたと気がついた。
その声は、ひりついた阿呆の絶望は、
この喉こそが鳴らしたものだ。

詰まりは、

自分自身の中から知らず溢れた絶望そのものの具現としての音なのであって――――

弾けたのは何かが素早く地面を駆ける音だった。
呆けつつゆるゆるとそこまで考えていたノベリットの右側から、強烈な打撃が一撃加わった。
横っ飛びに吹っ飛んでいくノベリットがつい今し方まで立ち尽くしていた場所に、忌の緑色をした閃光が襲いかかり、じゅっと音を立てて地面を焦がした。
ゆるゆると朧な目を向ける。
ノベリットを押し倒しつつ、すかさず邪悪と対峙するのは、一匹の犬の姿だった。

――――カイザーだ。

匿川 名  2019-05-26 23:33
『ク』というのがそれに最も近かった。

ノベリットが『そこ』を向いていたのは偶然に過ぎない。
世界を覆いつくしたのは『光の触手』であり、
邪悪な意思であり、
蠢きであり、
『死』そのものであることは、
『それ』に触れ、
見ただけで一目に、
圧倒的に、

有無を言わさず理解させきるだけの圧力と迫力があった。

『ク』とはノベリットが聞いた音のことで、
目の前で折れ腹を抱える『マナ』の姿で、
彼女の身体を貫く緑の閃光に前後して『ぷしゅっ』とほとばしる血煙の姿で、
それはきっと透明を極めた憎悪の姿で、圧倒的な絶望の具現で、発せられたノベリットそのひとの呟きでもあった。

前のめりに倒れるマナの横で、カナが絶叫していた。
そのカナの頭部を『ク』が襲った。
僅かなひとときに響いた『ク』という音が側頭部を斜めに貫き、ガクンと頭蓋を揺らしたかと思ったら、カナは膝からくたくたと崩れるように倒れた。

匿川 名  2019-04-26 00:05
※業務連絡※

かざぐるまさ~ん!
最終投稿から5年が経過です!
もうここを見ていないのかなあ・・・。
終わらない物語は切ないので、そろそろ巻いちゃいますよ?

匿川 名  2019-04-25 23:56
死ね、死ね、死ね。
去ね(いね)、去ね、去ね。

汝よ、去ぬれば灰燼と帰せろよ。
もう我は容赦などは忘れた。
雷の轟きの彼方で焦がれ焼き尽くせよ、其の身を。
至る所で悔恨をまき散らし、永久の闇へとその魂を浮かべるがいい。

我が皇は衰え、畜生と化し、なお我を蔑む。
蔑み顧みず、至ろうとせず、
永久(とこしえ)に見下すためだけに、我の在り方を認めすらしない。

皇よ、皇よ、なぜに其方はそこまで横暴で傲慢なのか。
我の声が、今としては圧倒的に強大で、
汝の識るあらゆる世界を凌駕するこの我を、
万象を超えて佇むばかりの我を、
柳の影もかくやとばかりに顧みず、
忘我の果てでもあるまいに、
堕落と惰性と緩い朋とに囲まれる幻想の中で、
糞のような悪臭と嫌悪の中で、

浸り、浸かり、ただ漫と只管に溺れているのではないのか?

死ね、死ね、死ね。
去ね、去ね、去ね。

汝よ、彼方へ向け動けよ。
彼方へこそ向かい振り返るなよ。
我はもう汝を忘れることとした。
帳の降りた永久の夜の闇に、哀切を喚きながら彷徨うがいい。
彼方へこそ歩めよ。
盲いた灰色の瞳の中に、浮かぶはずも無い涙を晒して。


我が皇。

我が皇。


ああ、皇帝(カイザー)

我はもう汝を待つことは、金輪際有り得は――――しない。

匿川 名  2019-02-06 23:54
「あれは何だろう」
ノベリットはぽつりと呟いた。
一同が見るのはノベリットの視線の先、広がる大空の中の深緑色をした『しみ』の方だ。
それは日頃空を閉める蒼でもなく、鈍色の湿り気をたっぷりと含んだ雲の様でもない。
夜の漆黒でもなければ宵に入る際の燃え尽きる太陽がかざす紅炎でもない。

誰もが言葉を失っていた。
理由は他でもない。
それが常識を外れていて、およそ誰もが生涯で見たことがない異態であったからこそ、胸中にぐすりと燻るのは名指しがたい凶兆の印象と、それに端を発する陽炎のような不安であったからこそ、だ。

広がる深緑の様はある印象を一同に抱かせた。
クウ、とカイザーが犬の喉でうなる。
誰もがそこに押しつぶされそうな黒い不快を覚える。
それはそもそも『カイザー』が発すべき声音でも無ければ、誰もが聞くとは思っていなかった弱音のように響き、耳孔の深奥に届いたからだ。

漠然とした、しかし逃れようのない不安が心をかきむしるのを止められないまま、そこの誰もが彼方の空を見入った。

何が起きようとしているのか。

――――否、我らはそれを知っている。

逃れようのない、万物の至る極点。

その緑はそれを象徴している。

見ただけでそうと分かるのは、それが言葉や観念を超えた単純な真実だからだ。

それは『影』などでは無い。

『見えざる手』でもなければ『触れようとする概念』でもない。

例えば、こうした物事であり事象であるのだろう。

『死』という存在は、万物に等しく訪れて、

だからこそ、

彼らに対しても、一切の容赦が無くて―――

ノベリットがその不安について、
自らの内に折り合いを付けるために、
無理矢理に『名前を付そう』とし、
眼差しを強く、睨み返すそれに切り替えようとしたとき、

その『不安それそのもの』でしか無い緑は、

爆発的に広がり、一瞬で彼らを包み込み、世界を


   完全なまでに、包括的に、支配した。

匿川 名  2019-01-25 23:46

世界を『紡ぐ』のは何であるのか。
その問いに立ち返るなら、『人』と答えるべきなのだろう。
あらゆる命に意思があるなら、あるいは、
あらゆる存在に意思があるなら、
その観測する数多の事象は、ただそこに在るだけなのに、意味を見出そうとするものは、万物において『人』のみに過ぎないからだ。

故に人は紡ぐ。
他者と己の物語を。
故に人は問う。
他者と自分の均衡とその差異を。
故に人は問う。
己が何者であり何を為すべくしてそこに在るのかを。
故に人は問い、墜ちていく。
答えのない虚数の中に自らの価値を、意味を求めて、

其処に答えなどありはせず、それが故に、無間とも等しい己が内側の深い深い穴へと只管に落ちて征き。

そして、果てなく落下しつつ、なお人は問う。

『私はなぜ、そこに在るのか』と。

ならば、私は答えよう。
虚無であると応じるのはあまりに容易いので、
ただのひと言により、
刻んでしまおうと、

詰まりは、
それが、

「おこがましい問いであるとなぜ気がつけないのか」と。

足掻き、足掻き、藻掻いて藻掻く。
薄々気がついているはずの自らの存在意義を認めたくないばかりに。
盲(めしい)ているのではなく、見ないでいるのは、己が瞼を閉じている為なのに、
頑ななほどにそれを認めず、拒み、
譫言のように繰り出される言葉の羅列こそが、

そう、お前が紡ぐ世界の在り方で、
人の為す『業』そのものの、
高熱に浮かされるような、
陽炎のごとくに棚引き揺らめく儚い呟きこそが、

お前と、お前を取り巻く世界のすべてであり、

此処に在る遍く世界の法則であり、途であり、

果ての冷たさを抱え込んだ、

『記録そのもの』であるのだと、
いまこそ、
――汝は識るべきなのだ。

匿川 名  2019-01-13 10:55
すると、禿頭の男の指先にすうっとトンボが一匹降りてきた!
一同は目を丸くしてその様子を見ている!
「とまあ、これが私の特技でねえ。私が指を立てるとトンボが飛んできて、そこに止まるという秘術さ。
・・・ちなみに今までの人生で、何の役にも立ったことはありません」
男のその独白に一同は『ズコーッ!』と、今時珍しい古典的擬音とともに盛大にずっこけた!
「ところで、ここ数年のお話の進まなさって言ったら『ベル○ルク』並みね・・・」
とアニエスがメタな発言をした!
「しっ!ファンタジーと言うだけしか共通点がないのに、あんな名作と比べるとはおこがましいにもほどがある!ベ○リットにされるぞ!」
慌てたノベリットがフォローにならないフォローを繰り出した!
「わんわんわおーん(マナ、とりあえずサービスカットで間と読者をつなげ!)」
カイザーまでノッて来ると収拾が付かなくなるんじゃない?!
「う、うふーん!」
カイザーの押しで、何となくノリで身体をくねらせているが、マナ!小説ではセクシーポーズは見えないしよく分からないぞ?!?!
そんな一同の様子に深いため息をつきながらカナが頭を垂れている!

その時!

「――あれは何?」

ふと我に返ったマナがそう呟いて、東の空を指さした。
場の一同が視線をそちらに向ける。
すると、そこにあったものは、


エメラルドに似た深い緑色をした『しみ』だった。
稜線に接する空の端に、
例えば絵具の乾かぬ水彩画に、誤って落とした水下を帯びた別の絵具のように、
青い空のただ中に浮き、にじみ、そして、

―――緩やかに、実に緩やかにではあるが、それは確実に広がりつつあった。

匿川 名  2018-02-08 09:40
「祝!放置一年!」
禿頭の男が相当唐突に天に向け絶叫した!
「まあ、それはさておき」
ノベリットはそう呟いて軽く咳払いした!
「わんわんわおーん(さておいて良いのか?)」
カイザーはそうぼやいているが、まあ、この際どうでも良いような気がしないでもないので、禿頭の男は話を続けるべくふうと一度息をつき場を見渡した!
「で、延べ川松左衛門ですが、伝説のシリアルキラーです」
「んえ?!」
アニエスがピーナツを喉に詰めた在りし日のサ○エさんのような顔で目を白黒させた!
「シリアル・・・キラー?」
急に真面目な顔になったノベリットが男の顔をのぞき込んだ!
「そのようで・・・合い言葉は『一日一殺』。連続記録は殺し始めから今まで途絶えたことがないとか?それで、その奴めが最近狙っている獲物がいるそうなのでねえ」
「それは・・・物騒ですね」
カナが眉をひそめてそう呟いた!
「あんたがそれを言うかい」
と、小声でマナが独りごちた!
「それで、延べ川松左衛門は誰を狙っているのかな?」
自分から話題が逸れたノベリットは気持ちウキウキでそう尋ねた!
すると、
すっと男の手が人差し指を立てて、まっすぐ前に向かった!
その指先にいるのは・・・ノベリット!
「んえ?!」
ま、まさか何となくお命まで狙われちゃってるの?!

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