創作小説サークル【Drop】[小説コミュニティ]
【交流】感想戦&もの書き談義
名寄椋司} 名寄椋司 |
感想や批評、小説作品についての議論や技術向上のための相談等、幅広い用途でご利用下さいませ。雑談は雑談用のトピが御座いますので、そちらの利用をお願い致します。 (管理人が不適当と感じた書き込みについては削除することが御座います) |
2012-04-28 16:08:24 |
コメント (20)
名寄椋司 2012-09-12 23:27
続いて、星乃カルマ様の作品。
作品名:SKY VALKYRIE ―Blue Sky Blue―
SF中編作品。SFと言ってもビームどかーんとか巨大宇宙船同士でボカーンとかそういうものではなくて、正統な意味でのサイエンス・フィクションです。大樹ユグドラシルから得られるマナによって発達した文明下に暮らす世界での、空軍パイロット達の物語。まだ少女とも呼べるような、年若い新人パイロット、ソエルが着任したことによってお話は動き始めます。
これはカルマ様の作品全てに言えることなのだけど、とにかく文章の透明度の高さがハンパじゃありません。一見すると少し冷たいんじゃないかというぐらい物語全体を突き放したような、それでいてちゃんと自作の世界観を大切にしてらっしゃることが伝わってくる作風です。プロフ欄を読むと好きな作家のところが森博嗣先生になってますが、成る程納得という感じ。森先生も物凄い自作を客観して描かれる方ですからね。
あらゆる描写を不足なく、しかし過剰になることを避けるような言葉選びのセンスは、どの作品にも共通しています。きちんとこういうセンスを御自分のものにしてらっしゃるからこそ、だと思いました。
特に飛行機に乗るシーンでは専門用語が多く出てきますが、わからないならわからないなりに読み進めることができますし、知っていれば尚楽しめる。何よりWeb小説なのだから、少し興味が湧いたらすぐに検索して意味を調べることができます。少なくとも、読者を突き放すような書き方はされていません。
とにかく、読むことが苦痛にならない小説です。自然にスイスイと次へ、次へ進んでいける。作者から振り落とされることなく、自ら脱落することもなく、物語の最後まで読み終えることができるお話。最近は何だか読まれていることを意識しているのかよくわからない作品を目にすることが多かったので、一服の素晴らしい清涼剤でした。
お二人とも非情に書き慣れていて、でも手癖で書かれていない。
とても素晴らしいことだと思います。
創作意欲、しっかり分けていただきました!
名寄椋司 2012-09-12 23:27
それゆけ! 感想千本ノック!
今回は二本まとめていっちゃうぞー!
まずは最中の中様から-。
作品名:掌編集【Silver Bullet】
それまで発表されていた掌編(という程短くもなく、短編ぐらいの長さは普通にある)作品を再編集してひとまとめにした作品。なので、掌編集というタイトルがついてはいますが、実際にはほぼ中編~長編ぐらいのボリュームがあります。きちんと繋がった話になっているので、むしろこのボリュームは嬉しい限りですが。
いわゆる怪異譚的なお話。性別不明、本名不詳の『私』と、『私』を取り巻く個性豊かなキャラクタ達による会話劇といった感じで、作風としてはライトな方に入るかと思います。読みやすく、しかし軽すぎずといった絶妙なバランス。一人称で描かれる作品の世界観といい、この辺りはさすがといったところでしょうか。最中の中様の経験が活きている感じです。
雨女から始まり、最後は何とヤクザの抗争にまで至る物語の振り幅の大きさ。抱き枕の付喪神が出てきたかと思えば、いわゆるオルレアンのブティック的なだるまの話が繰り広げられたり、その作風の広さにはただただ感服するばかりです。それでいて全体が乖離することなく、きちんと一つの作品としてまとまっています。
文章力に関しては今更言うのも野暮かもしれません。一人称で視点のブレもなく、情報量も多すぎず少なすぎず。怪異譚としてのオチもきちんと味があるものばかりです。
自分は純文学以外は絶対読まないんじゃー、という人以外は是非読んでみて欲しい作品でした! まあ純文学以外は絶対読まないんじゃーという人はそもそもこのコミュに参加してないと思うのですが。名寄さん純文学書いた試しないし!
蒼井彗星 2012-09-03 13:12
作者:sakura様
作品名:天使の翼
第二次世界大戦のドイツ空軍に所属する、パイロットの物語。
軍事小説や戦記物といえば、凝り固まっていて、なかなか物語の中に入って行きづらいイメージがありますが、天使の翼にはそのイメージがありません。
全体的に柔らかく、静謐で、スムーズに物語の中に入っていけるかと思います。登場人物にも魅力があり、戦争に対するザジャの心の葛藤なども痛いほど伝わってきます。空戦シーンもテンポがよく、サクサクと読み進められました。
1.2.3.と分けて投稿するのではなく、一つにまとめてしまった方が、読みやすいかもしれませんね。
短文の感想で失礼しました。パイロットや戦闘機ものは大好物なので、またじっくりと読ませて頂きますね!
退会ユーザー 2012-07-21 19:34
ここでいいのかな?
まだ途中なんですが、
名寄さまの「完全世界物語」第一部拝読中です。
読んでて思いますが、アクションを3D的に読者に想像させながら書くのって難しいですね。
結局、どうしたのか、後から説明になってしまいがちだったり、種明かしが必要だったり……。
なかなかスムーズな、しかも躍動的でハイスピードな読ませ方、難しい。
私は 冲方丁せんせいなんかうまいなぁと思ってアクション読んだりします。
名寄椋司 2012-07-14 11:11
>マナーモード様
すみません-、新作の宣伝は【宣伝】広報掲示板スレでお願いしますー。わかりにくくて申し訳ないです……。
マナーモード 2012-07-14 02:44
久しぶりに新作を書き始めました。「出会いは衝撃的に」読んでくださいませ。
名寄椋司 2012-07-03 23:48
感想千本ノックまだまだ行くよー。
作者:星乃カルマ様
作品名:星を継ぐ者、SKY VALKYRIE、他
一瞬物凄いアクセス数だ……と圧倒されてしまいましたよ。プフムン。
最近新しくDropに参加して下さった星乃様の作品です。ジャンルとしてはSFと異世界ファンタジーを主に書かれている方で、シリアスな作風が前面に出ています。
普通シリアスな作品というのは全体的に重く、暗い雰囲気になってしまいがちなのですが、星乃様の書かれる作品にはその暗さがありません。むしろ透明感の高い、透き通った文章を書かれています。
SKY VALKYRIEとInnocent Skyでは特に、その透明度の高さが目立つように感じました。空軍もので、確かにドッグファイトのシーンなどもあるにはあるのですが、主眼はそこではなく、あくまでパイロットやそれに関わる様々な人々の群像劇になっているように思えました。
文章はくどさを感じさせない、むしろ淡々としたものなのですが、それが独特の雰囲気を醸し出すことに成功しています。空戦シーンではそれがうまく働き、粛々と進むシーンに緊張感がありました。
一人称、三人称と両方を使い分けて書かれており、どちらも読みやすさは変わりなし。情景描写も必要十分に盛り込まれていて、物語から置いて行かれるようなこともありません。
とにかく、この文章は一読の価値ありです。
清流が流れるような、読み進めていく上で躓くことなく、しかし強い存在感を持った文章は、一度読むとついつい最後まで目を通してしまう力を持っています。
Drop参加者の皆様にとって、少しでもこういった感想が創作活動の励みになることを願いつつ。
感想千本ノックでしたー。
名寄椋司 2012-07-03 23:48
感想千本ノック続き-。
作者:マナーモード様
作品名:タクシー強盗の恐怖、真夜中の公園で、他
マナーモード様はとにかく作品数が多く、全てに目を通すのは容易ではないと思い、とりあえず読んだ分から感想を書かせていただこうかな……と今回思い立った次第です。にしてもこの作品数は凄い。更新速度が凄まじいです。全部掌編でもこれだけ沢山書くのは大変と思いますが、結構な長編もあったりして、ますますその執筆する意欲には頭が下がる思い。スゲエですよ。
作品を数点読ませていただきましたが、カテゴリにこだわることなく、本当に様々なジャンルに渡って創作活動をされています。ちょっと笑える話からホラー、恋愛小説に至るまで、本当に多岐に渡る創作ぶり。苦手なジャンルはないのかと思ってしまうぐらいです。
文章はしっかり系。ですが読みにくいものではなく、むしろ味わいとしてはさっぱりとした作風が多いです。バランスの良い文章と言いますか、「読みやすさ」と「文章としての完成度」って大抵どちからに傾いてしまいがちなのですけど(読みやすいけど凄く安っぽい文章だったり、語彙は超豊富だけど物凄く読みにくかったり)、ここをうまく均衡をとっているように思いました。
これって結構難しいことだと思います。読みやすく、しかし不必要に安っぽくなく。
このバランスを見失って作品が迷走することは、僕も何度も経験してきました。
やはりこの辺りは、作品数を多く書かれている方の経験値故の強みだなあと思います。
個人的な感想になってしまいますが、改ページがやや多いように思えました。1ページごとの文字数がやや少なめというか……これはまあ、読みやすさを考えた上でのレイアウトなのかもですが。
名寄椋司 2012-07-03 23:47
感想千本ノーック!
作者:桜城静夜様
作品名:石使いランジャ(シリーズ)
皆様積極的に更新されているようで、Drop管理人としても嬉しい限りです-。というか皆さんの更新速度についていけていない名寄さんがだいぶ問題であるような気がひしひしとします。ひしひしと。
そんなわけで感想千本ノック、桜城静夜様の石使いランジャシリーズです。
作品名と、登録したカテゴリから「ああ、異世界もののファンタジー作品なんだろうなあ」と思っていたら、意外なことに読み出しがSF的な感じでびっくりしました。あれっ? 違う作品? と思っていたら、あれよあれよと読み進めていく内に異世界ファンタジー的世界観になっているという驚きの展開。成る程、これは意外性の高さで読ませるなあと感心することしきりです。
石使い、という設定ですが、作中ではむしろこの石使いとしての力よりも人間的な力(機転が利くとか、咄嗟の判断力とか)に重点が置かれているような気がしました。最新話では主人公の相棒的なキャラがだいぶ掘り下げられていて、登場人物達の魅力も増してきたように思います。
作品としては一人称の、長編シリーズ。
時々思うのですが、皆さんどうしてこう一人称を巧く書けるんでしょうか。僕、一人称での適切な情報量っていうのが未だに掴めなくて、主人公はどれだけ一人で物思いに耽ってるんだよ状態になるんですけど……。
文章としてはやや硬め、密度濃い系とでも申しましょうか-。サラッと流し読みするのではなくて、じっくりと腰を据えて読みたい系の作品です。
退会ユーザー 2012-06-16 06:06
寝ぼけ眼で感想など失礼いたします。
作者:名寄椋司様
エッセイ『男の子の隠れ家』
エッセイと言うことで、実在するお店、なのでしょうか。
道を知っていれば、想像も可能な表現と、雰囲気もでていて良かったと思います。
お料理などの紹介も他の方が文章を書くための参考になって良いと思うのですけれど、ちょっと文章がつまっていて読むのがつらいというか目が痛かったので、もう少し段落わけしていただけたら良いなと、思いました。
ただ、わたしも評論家ではないので正直なところ個人の感想でしかないので、この感想は「そう思った人もいるんだー」くらいでさらりと流していただければと思います。
また、新しいお店の紹介など楽しみにしています。
単文の感想などで失礼いたしました。